能登の家「じんのびーと」の暮らしが始まりました。常に人が住んでいるわけではないので、継続する暮らし、という言い方は当たっていないかもしれません。でも明らかに、此処での生活や暮らしが再び息づき始めました。
どこからお話したものか。じんのびーとは、ゆっくり、のんびりという意味の奥能登の方言です。何度も能登に足を運んできましたが、これまで「じんのび」というひと言をだれからも聞いたことがないので、すでに消えてしまったんでしょうか。方言が使われなくなるのは、とても寂しいことですが。
じんのびーとは、福島のみなさんを応援します。放射能汚染による被ばくから少しでも離れたい気持ちがあっても、それぞれが様々な事情を抱えての今だということを、福島の子どもたちとのFKキッズ交流キャンプを通して直に知り得ました。期間の限られた保養プログラムではなく、一年を通して各家庭の都合に合わせ好きなだけ滞在できる、言わば「保養生活」の場を提供しようというわけです。
この自由気ままな田舎暮らしの象徴とも言いたくなるような出来事をさっそく体験しました。じんのびーとには田んぼも畑もあって、この管理人代わりのますやんはド素人の恐さ知らずを武器に自然農スタイルで野良仕事に精を出そうと目論んでいますが、今回初めての「保養生活」を体験したけんちゃん(福島市)が、耕耘機を持ち出して一二年放置されていた田んぼを耕しはじめました。けんちゃんは農家に生まれ、、子どものころから散々手伝ってきたそうです。自然農は不耕起を柱としていますが、けんちゃんにしてみれば、時間のかかることをしていないで便利な機械を利用すればいいと、ますやんの苦労を慮ってのことだと思います。そして、これこそがじんのびーとの真骨頂となるはずで、此処はそれぞれの気持ちを形にできる創造の場だということです。一枚の田んぼの中に、慣行農法あり自然農ありというパッチワークみたいな田んぼが生まれるのかもしれません(笑)。
けんちゃんの指導のもと、ご子息のゆうたやFKの常連でもあるゆかい、妹のみなみが裸足になって田植えをしました。けんちゃんはなかなかに鬼教官(笑)、とくにむすこには厳しく、十数本ほど植えたあと、「や〜めた」と場を放棄してしまったゆうたでしたが、農家でもないみなさんが家族丸ごとで田舎暮らしを体験できる貴重な場になる予感がしました。
連休中のこの「保養生活」は5月2日〜6日まで展開されました。わずか数日の滞在です。でもその中身ときたら、三週間の保養プログラムにも負けていなかったことを、これからゆっくりとご紹介、じんのびーと日記を気ままにお楽しみください。
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